ベルギー1部シントトロイデンVV所属の鈴木彩艶選手は、身長192cm体重98kgという強靭な体格を生かした身体能力を武器に、近年、一気に評価を高めているゴールキーパーです。
アメリカ合衆国で生まれ、ガーナ人の父親をもつ鈴木彩艶選手ですが、実は、本格的に英語を勉強しはじめた数年前までは、まったく英語を話せなかったようです。
今回は、ちょっと意外な鈴木彩艶選手の英語力について深掘りしていきます。
アメリカ生まれなのに英語を話せなかった理由や、苦手な英語を勉強している理由を、生い立ちとともに解説していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を読めば、鈴木彩艶選手の英語との向き合い方と、その先に見据える大きな目標が見えてきます。
Contents
鈴木彩艶の基本情報
画像引用元:FOOTBALL ZONE
今季オフシーズンには、プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドや、セリエAの古豪ジェノアなど、複数の欧州クラブの争奪戦が繰り広げられると報じられている鈴木彩艶選手。
日本代表においても、森保ジャパンの守護神としてAFCアジア杯の全試合に出場し、一気にその評価を高めています。
ここでは、近年目覚ましい活躍をみせている、鈴木彩艶選手のプロフィールと経歴を紹介していきます。
基本情報を知ることで、鈴木彩艶選手への興味がさらに高まるでしょう。
プロフィール
この投稿をInstagramで見る
まずは、鈴木彩艶選手のプロフィールからみていきましょう。
|
経歴
この投稿をInstagramで見る
2001年、ガーナ人の父親と日本人の母親のもとアメリカ合衆国で生を受け、その後まもなく、母親の母国である日本に生活の場をうつします。
幼稚園の頃、兄の影響でサッカーをはじめ、浦和大東サッカースポーツ少年団へ入団。小学校5年生になると、1期生として浦和レッズジュニアに所属し、その後、浦和レッズジュニアユースへと順調にステップアップします。
浦和レッズジュニア所属中の2019年2月、クラブ史上最年少となる16歳5ヶ月11日でプロ契約を結ぶと、同年8月には2種登録選手としてトップチームに登録されました。
2020年シーズンも2種登録選手としてリーグ戦16試合にベンチ入りするものの、試合出場の機会はめぐってきませんでした。
2021年シーズンより正式に浦和レッズへ昇格すると、同年3月、JリーグYBCルヴァンカップ第1節湘南ベルマーレ戦で先発出場し、GKとしてのクラブ最年少出場を成し遂げます。
同年5月には、浦和レッズ不動の守護神、西川周作からレギュラーポジションを奪うと、Jリーグデビューから3戦連続無失点を記録。日本GKのレジェンド川口能活以来、2人目の快挙を達成します。
リーグ戦出場は6試合にとどまった2021年シーズンですが、ルヴァンカップでの活躍が評価され、ゴールキーパーとして史上2人目となる「ニューヒーロー賞」を受賞しました。
2022年シーズンは、西川周作と熾烈なポジション争いを演じるものの、リーグ戦出場は、わずか2試合に終わる。
2023年8月、イングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドFCから9億円以上ともいわれる移籍金で獲得オファーが届く。しかし、これを断りベルギー1部のシントトロイデンVVへの期限付き移籍を決断します。
日本代表には、U-15から各年代に飛び級で選出され続け、2022年、EAFF E-1サッカー選手権に出場する日本代表に初選出されます。
2023年11月、W杯アジア2次予選のシリア戦に21歳92日で出場し、川口能活がもつW杯予選ゴールキーパー最年少初出場記録を塗り替えた。
2024年1月に行われたAFCアジア杯2023では、森保ジャパンの正GKとして全試合でゴールマウスを守りました。
鈴木彩艶が英語を話せない理由
画像引用元:FOOTBALL ZONE
鈴木彩艶選手は、海外挑戦を意識し始めた浦和レッズ時代から本格的に英語学習を開始したものの、それまでは全く英語が話せなかったようです。
「語学はこういうときのためにしっかりと勉強してきたつもりです。最初は話せませんでしたが、今は試合の中でも自信を持ってできると思います。今後、海外に実際に行ったらもっと成長していく部分はあると思いますが、今は試合の中ではしっかりと話せるレベルだと思います。英会話を始めたのは2年くらい前です」
鈴木彩艶選手は、ガーナ人の父親と日本人の母親から生を受けた、いわゆるハーフです。
両親のどちらかが外国人という家庭環境で育った場合、日常的に外国語に触れることから「日本語以外の言語が話せるのではないか」と思ってしまうのが、多くの日本人のイメージではないでしょうか。
確かに鈴木彩艶選手の父親はガーナ人であり、ガーナの公用語には英語があります。
当然、父親との日常会話が英語であれば、自然と英語が身についていたに違いありません。
しかし、「本格的に英語を勉強し始めるまでは英語を話せなかった」という事実から考えると、家庭での両親との会話は、「日本語」だったと考えられます。
また、アメリカ合衆国で生まれた鈴木彩艶選手ですが、生後すぐに日本に来たため、普段の生活環境においても英語に触れる機会はありませんでした。
鈴木彩艶選手自身も「アメリカで生まれましたが、すぐに日本に来たのでアメリカでの記憶がありません。育ったのは日本。埼玉なのです。」と、語ります。
つまり、鈴木彩艶選手が英語を話せなかった理由は、多くの日本人と同じく「日常的に英語に触れてこなかった」ということになります。
ちなみに、現在NBAで活躍するバスケットボール選手、八村塁選手も英語が話せなかったようです。
八村塁選手は、父親がアフリカ人、母親が日本人という家庭環境で育ちました。さらに、父親は7カ国語を話せ、母親は小学校で外国語講師をしていたようです
しかし、両親との会話は日本語だったため、八村塁選手が日常的に英語を話すことはなかったといいます。
もしかすると、「ハーフの人は、外国語を話せる」というイメージは、島国日本における特有の思考なのかもしれませんね。
鈴木彩艶は英語が苦手で勉強中?
画像引用元:Number Web
英語が苦手だった鈴木彩艶選手が、本格的に英語学習をスタートさせたのは、海外挑戦が視野に入りはじめた浦和レッズ時代からです。そして、現在所属しているベルギー・シントトロイデンVVでも英語学習は継続中のようです。
選手たちが #DMM英会話 で日常会話やサッカーに使える英語を学び始めました💻🗣️
パソコンやスマホとインターネットがあればいつでも受講できるので、練習終わりなど空き時間にレッスンを頑張っています👊@DMMeikaiwa #山本理仁 #藤田譲瑠チマ #鈴木彩艶 #PR pic.twitter.com/aH7EWznUk3
— シントトロイデン🇯🇵公式🟡 (@STVV_JP) October 2, 2023
周囲から「真面目」、「努力家」と評される鈴木彩艶選手。
おそらく、英語の勉強においても人一倍努力してきたに違いありません。
今では、記者からのインタビューに英語で応対できるほどに、鈴木彩艶選手の英語力は向上しています。
鈴木彩艶選手が英語で話しているインタビュー動画があるので、見てみましょう。(動画内59秒付近から)
まだ少し日本語のような発音になる箇所はあるものの、かなり流暢に英語を話せているのがわかります。
インタビュアーの長い質問を聞き取れている、リスニング力も素晴らしいですね。
このように、鈴木彩艶選手が英語学習に力を入れてきたのには2つの理由があると考えられます。
- ゴールキーパーに求められる語学力
- コミュニケーションで広がる可能性
それぞれを解説していきます。
ゴールキーパーに求められる語学力
ゴールキーパーの役割は、相手のシュートを止めるセービングだけではありません。
フィールドプレーヤーの中で最も後方にポジションをとるゴールキーパーは、フィールド全体の状況が見えることから、「味方への的確な指示出し」が重要な役割として求められます。
この味方への指示出しにおいて、もし言語が通じないとなると、ゴールキーパーとしては大きなマイナスポイントとなるはずです。
もちろん、これまでJリーグで活躍してきた外国人ゴールキーパーが流暢な日本語を話せていたわけではないように、ゴールキーパーにとっての語学力は絶対条件ではありません。
しかし、「将来プレミアリーグでプレーしたい」という大きな目標を宣言している鈴木彩艶選手にとって、味方選手に細やかで具体的な指示を伝えることができる語学力は、是が非でも身につけておきたい能力の一つといえるでしょう。
コミュニケーションで広がる可能性
長きにわたり欧州で活躍し、今季Jリーグに復帰した元日本代表GK川島永嗣選手は、海外挑戦における語学力の重要性を次のように語ります。
「これはサッカーだけではありません。僕の場合はたまたま仕事がサッカー選手で、キーパーとしてやっていくうえでは必要なことでしたけど、やはり言葉が話せることで広がる可能性がある。自分が実際に話せたことで、それを多く感じてきました。
直接話す時に感じる相手の考え方や価値観は、人を介して話す感覚とは違いますし、人によってどういう背景で育ったのかも含めて、相手がどう感じるかも変わってきます。だから、そういうことを理解したうえで、たくさんの国の人とコミュニケーションが取れるのは、人生の幅が広がるというか、楽しみが本当に広がると思っています」
引用:Yahoo!ニュース
日本語を含む7ヶ国語を話せることでも有名な川島永嗣選手も、高校を卒業した時点ではほとんど英語を話せなかったようです。
しかし、日本にいるときから英会話教室、イタリア語教室に通い、海外挑戦の準備を進めていました。
鈴木彩艶選手も、海外挑戦成功の条件として「英語力の向上」を掲げ、浦和レッズ時代から準備をしてきたに違いありません。
ビッグクラブも注目する鈴木彩艶選手のセービング能力に、高い語学力が加われば、欧州リーグでの成功の道が開けてくるでしょう。
まとめ
今回は、ちょっと意外な日本代表GK鈴木彩艶選手の英語力について深掘りしてきました。
鈴木彩艶選手は、英語を話す必要がない日本で育ち、両親との会話も日本語だったため、多くの日本人と同じように英語が話せませんでした。
しかし、「プレミアリーグでのプレー」を大きな目標に掲げる鈴木彩艶選手は、ゴールキーパーにとって重要な役割となる「味方への的確な指示を出す」ため、さらに、「コミュニケーションを介し、海外での可能性を広げる」ために、浦和レッズ時代から本格的な英語学習をスタートさせました。
今では、外国人記者からのインタビューに対し英語で応対できるほどに、鈴木彩艶選手の英語力は向上しています。
日頃の努力で手に入れた英語力を生かし、「プレミアリーグでプレーする」という大きな目標を達成してほしいですね。
今季オフシーズン、欧州で争奪戦が繰り広げられると報じられる鈴木彩艶選手の移籍動向に注目が集まります。