2024年10月20日、河村勇輝選手がメンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約(Two-Way Contract)を締結したことが発表されました。
これは日本人選手として4人目のNBA挑戦となる重要な一歩です。
河村勇輝選手は、プレシーズンの全5試合に出場し、平均15.1分の出場時間で3.4得点、4.2アシストを記録する活躍を見せ、その実力を認められての契約となりました。
NBAの2ウェイ契約は、若手選手の育成とチームの戦力補強を両立させる特別な制度です。
本記事では、この契約の仕組みと河村勇輝選手の挑戦について詳しく解説していきます。
Contents
河村勇輝がNBAグリズリーズと締結したツーウェイ契約とは
画像引用元:THE DIGEST
NBAのツーウェイ契約は、2017年に導入された比較的新しい契約形態です。
この契約により、選手はNBAチームとその下部リーグであるGリーグの両方でプレーする機会を得ることができます。
通常のNBA契約との違いは?
通常のNBA契約では、選手は1つのチームに専属し、シーズンを通してNBAでのみプレーします。
一方、ツーウェイ契約では、選手は最大50試合までNBAの試合に出場でき、それ以外の期間はGリーグでプレーします。
また、通常契約の選手は15人までというチームの定員枠に含まれますが、ツーウェイ契約選手は別枠として最大3人まで登録できます。
ツーウェイ契約の特徴
NBAのツーウェイ契約の特徴については以下の通りとなります。
- NBA経験が4年未満の選手のみが対象
- 1シーズンで最大50試合までNBAでプレー可能
- チームの通常枠(15人)とは別に、最大3人まで契約可能
- プレーオフへの出場は不可
- 本契約選手が15人未満の場合、ツーウェイ契約選手全体で最大90試合まで出場可能
契約期間と年俸
契約期間は最長2年間で、年俸はNBAのミニマムサラリー(最低年俸)の半額となります。
2024-25シーズンの場合、ツーウェイ契約の年俸は約57万8,576ドル(約8,650万円)です。
この金額は、チームのサラリーキャップ(年俸総額の上限)には含まれないという特徴があります。
メリットとデメリット
メリットとしては、選手がNBAとGリーグ両方での実戦経験を積めること、成長次第でNBA本契約への昇格チャンスがあることが挙げられます。
また、チーム側も低コストで有望な若手選手を育成できます。
一方、デメリットとしては、移籍の自由度が制限されること、給与が通常契約と比べて低いこと、さらにプレーオフに出場できないことなどがあります。
河村勇輝のツーウェイ契約の内容は?
画像引用元:Smart Sports News
河村勇輝選手の契約は、グリズリーズとのエグジビット10契約(トレーニングキャンプ契約)からスタートしました。
プレシーズンでの活躍が評価され、ツーウェイ契約への昇格が決定しました。契約内容は以下の通りです:
- 契約期間:2024-25シーズン
- 年俸:約57万8,576ドル(約8,650万円)
- 活動拠点:メンフィス・グリズリーズ(NBA)とメンフィス・ハッスル(Gリーグ)
- 出場可能試合数:NBAで最大50試合
ツーウェイ契約導入の理由は?
ツーウェイ契約の導入目的について以下のとおりまとめました。
- 若手選手の育成強化
・より多くの実戦機会の提供
・NBAとGリーグを行き来することでの段階的な成長 - チーム運営の効率化
・柔軟なロスター管理
・育成コストの最適化
・怪我人が出た際の即戦力確保 - Gリーグの活性化
・若手有望選手の参加増加
・リーグ全体の競技レベル向上
過去にツーウェイ契約をした日本人選手は?
画像引用元:NumberWeb
日本人選手では渡邊雄太選手が2018-19シーズンにグリズリーズとツーウェイ契約を結び、NBA挑戦の第一歩を踏み出しました。
渡邊雄太選手は、その後トロント・ラプターズでも同様の契約を経験し、最終的にはNBA本契約を獲得することに成功しています。
河村勇輝選手は、渡邊選手と同じくグリズリーズでツーウェイ契約を結び、日本人選手として4人目のNBA選手を目指すことになります。
まとめ
今回、河村勇輝選手が締結したNBAのツーウェイ契約について詳しく解説してきました。最後に簡単にポイントを整理したいと思います。
- NBAとGリーグ両方でプレー可能
- 最大50試合までNBAに出場可能
- 年俸は約8,650万円
- NBAでの実戦経験獲得の機会
- 活躍次第で本契約への昇格チャンスあり
- 段階的な成長機会の確保
- 日本人4人目のNBA選手を目指す
- グリズリーズでの活躍が期待される
- Gリーグでの実績作りが重要
河村勇輝選手のツーウェイ契約締結は、日本バスケットボール界にとって大きな一歩となりました。
今後の活躍と成長が期待される中、このステップを活かしてNBA本契約獲得を目指すことになります。
日本のバスケットボールファンにとって、河村勇輝選手の挑戦は大きな希望となるでしょう。