J1京都サンガF.C.所属の川﨑颯太選手は、その豊富な運動量と高いボール奪取力が魅力のボランチです。2023年シーズンからは、京都サンガF.C.のキャプテンとして、チームを統率しています。
2022年のJリーグデビュー以来、チームの主力として活躍を続ける川﨑颯太選手ですが、2024年3月までは立命館大学の学生でもありました。
今回は、“文武両道のフットボールプレイヤー”としても知られる川﨑颯太選手の学歴や経歴を深く掘り下げていきます。
「オール5」だったといわれる成績や、サッカーと勉強を両立してきた学生時代のエピソードも紹介していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を読めば、川﨑颯太選手のポテンシャルの高さが見えてくるはずです。
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川﨑颯太の学歴
画像引用元:立命館大学新聞社
ここでは、川﨑颯太選手の学歴を紹介していきます。
彼が通った学校は、以下の3校です。
- 山梨学院教育学部附属小学校・中学校
- 立命館大宇治高等学校
- 立命館大学産業社会学部
それぞれの学校で、サッカーと勉強へどう向き合ってきたのかを見ていきましょう。
山梨学院教育学部附属小学校・中学校時代
画像引用元:itot
川﨑颯太選手が小中学時代に通っていたのは、国立の小中一貫校「山梨学院教育学部附属小学校・中学校」です。
学習成績が優秀な同級生と切磋琢磨できる恵まれた環境で、勉強と向き合ってきました。
小学校入学後、地元の「フォルトゥナSC」へ入り、サッカー経験を積んでいきます。
ほとんどの人が年上という環境でサッカーにのめり込み、大きな相手にも立ち向かう姿勢を身につけていきました。
母・亜矢子さんは、息子の小学生時代を次のように振り返っています。
「公園に遊びに行ったときに大学生のお兄さんたちがサッカーをしていたんですけれど、颯太が自分から「いれてぇ!」って声を掛けて混ぜてもらっていましたね。ボールがあれば、年上の人でも平気でした。むしろ相手の方に気を使わせてしまったかもしれませんね」
次第に年上相手にも負けん気の強さを発揮するようになっていった川﨑颯太選手は、小学校4年生の時にヴァンフォーレ甲府のアカデミーに入団します。
ヴァンフォーレ甲府のアカデミーダイレクターを務める西川陽介氏は、川﨑颯太選手の「負けず嫌い」な性格が印象に残っているといいます。
「在籍しているジュニアの選手とセレクション受験生で試合をやるのですが『絶対に負けない!』という気持ちが全面に出ていたのが颯太でした。スゴイ負けず嫌いでしたね。でも、颯太は負けたあとに、自分が経験した悔しい思いを鮮明に覚えているタイプだと思うんです。“悔しさを向上心に変えることのできる子”でしたね」
ジュニア時代は、「ヴァンフォーレ甲府U-12」の一員として全国の舞台を数多く踏んできた川﨑颯太選手。
その後は、ジュニアユースまでヴァンフォーレ甲府のアカデミーで過ごし、中学校卒業を迎えます。
立命館大宇治高等学校時代
画像引用元:みんなの高校情報
川﨑颯太選手が進学先に選んだのは、京都市内でも有名な進学校として知られる「立命館大宇治高等学校」です。
高校進学にあたって優先したのは以下の2つでした。
- 勉強とサッカーを両立できる環境
- 高校年代最高峰のプレミアリーグでのプレー
いくつかの候補の中から東京の国学院久我山や、静岡の藤枝東をピックアップしましたが、どちらも学生寮を完備していないことがネックとなり、最終的に立命館大宇治高等学校への進学を決断しました。
進路決定について、川﨑颯太選手は次のように話しています。
「もともとプリンスリーグではなくプレミアリーグに挑戦したいと考えていましたから、県リーグになったからというのは関係ないですね。家族とも話し合いをしていく中で、慣れ親しんだ居心地の良い環境に身を置くのではなく、より厳しい環境でも通用する自信があったので、外に出ようと決めたんです」
また、立命館大宇治高等学校は、京セラ、京都サンガF.C.、学校法人立命館の三者が核となって推進するサッカーのプロ・トッププレーヤー育成プロジェクト「スカラーアスリートプロジェクト」への取り組みを行っていることから、学費免除の制度があったようです。
高校時代の川﨑颯太選手は「京都サンガF.C. U-18」でプレー。キャプテンとして活躍し、2019年にはプロの公式戦出場が可能となる2種登録選手としてトップチームに登録されています。
もちろん、学業での成績もトップクラス。
高校2年生の2学期の成績は「オール5」を取っていたようです。
当時、スカラーアスリートプロジェクトの担当をした山本清之教諭は、川﨑颯太選手の学校での様子を次のように語ります。
「進学校の中でも常に上位10パーセントに入るトップ層だった。試験前になると、問題の解き方を聞くために、彼の周りには人だかりができていた」
引用:日刊スポーツ
サッカーと勉強の両立は、授業のコース選択にも表れていたようです。
将来、プロサッカー選手になるための道筋を考えた川﨑颯太選手の選択に、父・由太さんも驚かされたといいます。
「(立命館宇治高校では)高1から高2へ上がるときに文系と理系のコースを選択するのですが、颯太は数学が得意なので、私はてっきり理系コースを選ぶと思っていました。ところが颯太は私たちに相談せず文系を選んだんです。理系に進んでしまうと合宿の授業もあるし、勉強が忙しくなってサッカーの練習を休まなければならない、でも文系を選べばドイツ語の授業も選択できる。将来のためにもドイツ語を勉強したいというんです。私は心配だったのですが、そのとき颯太はきっぱり『僕はプロになるために京都を選んだんだよ』と言ったんです。」
2020年3月、川﨑颯太選手は自身のインスタグラムで、立命館大宇治高等学校を卒業したことを報告しています。
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立命館大学産業社会学部時代
画像引用元:朝日新聞EduA
川﨑颯太選手が進学した大学は、立命館大学産業社会学部。偏差値66といわれる難関校です。
産業社会学部は、社会学を中心にして経済学、政治学などさまざまな社会科学と関連させながら、環境問題や雇用問題などの社会問題を主体的に乗り越え、解決していくことができる人間の育成を目標にしてます。
大学入学と同時期に京都サンガF.C.のトップチームに昇格した川﨑颯太選手は、2023年シーズンのキャプテンを務めます。
さらには、パリ五輪を目指すU-22日本代表に選出。2023年6月には、キリンチャレンジカップ2023に臨む日本代表(A代表)にも初招集されました。
川﨑颯太選手は、日本代表招集後も練習の合間をぬって大学の授業に出席していたようです。
「習慣を変えるのは怖いし、学校のみんなにも選ばれたから(授業)来ないんだ、と思われるのは嫌なので。学ぶことはめちゃくちゃ好きですし、勉強や大学は楽しみ」
引用:スポーツ報知
大学3年生の時には、人生観を変えるようなショッキングなニュースが飛び込んできます。
立命館大学で同じゼミのロードレーサー埜口遥希選手がレース中の事故で亡くなったという訃報でした。
世界の舞台で戦いながら、勉学に務める友人の死に、「一日一日を大切に努力していく」という強い想いが芽生えたようです。
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また、2023年11月23日、自身のインスタグラムで入籍を報告し、サッカーファンを驚かせました。
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プロサッカー選手でありながら学業との両立を貫き、2024年春、立命館大産業社会学部を卒業した川﨑颯太選手。
卒業論文のテーマは、「サッカークラブと地域社会、貢献」。自身がピッチ内外でどう行動しなければならないのか、子供達に夢を与えるために何ができるのかをまとめました。
ちなみに立命館大学の卒業式は、U-23日本代表の活動により、やむを得ず欠席したようです。
4年間大学に通わせてくれた両親への感謝の気持ちと、切磋琢磨してきた大学の仲間たちへの決意を胸に、川﨑颯太選手は世界の舞台へと羽ばたいていきます。
川﨑颯太の経歴
画像引用元:footballista
ここでは、川﨑颯太選手の経歴を紹介していきます。
文武両道のフットボールプレイヤーとしても知られる川﨑颯太選手の「ユース時代」と「プロキャリア」をみていきましょう。
ユース時代
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川﨑颯太選手のユースでの経歴は以下の通りです。
年代 | 所属クラブ | 学校 |
2011-2013年 | ヴァンフォーレ甲府U-12 | 山梨学院教育学部附属小学校 |
2014-2016年 | ヴァンフォーレ甲府U-15 | 山梨学院教育学部附属中学校 |
2017-2019年 | 京都サンガF.C.U-18 | 立命館大宇治高等学校 |
山梨県甲府市出身の川﨑颯太選手は、小学校4年生で「ヴァンフォーレ甲府U-12」に入団。中学生までヴァンフォーレ甲府のアカデミーに所属しました。
中学卒業後は、親元を離れて京都に移り「京都サンガF.C. U-18」に加入します。
京都U-18ではキャプテンを務めチームを牽引。2019年8月には、トップチームに2種登録(下部組織に所属しながらJリーグの公式戦出場が可能)されています。
2020年、山田楓喜選手(現・東京ヴェルディ)とともに、ユースからトップチームに昇格。ここから、川﨑颯太選手のプロキャリアがスタートしています。
プロキャリア
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川﨑颯太選手がこれまで所属したクラブは、京都サンガF.C.のみです。
豊富な運動量と、高いボール奪取力。さらには、得点に絡む力にも磨きをかけ、チームの主力として躍動しています。
川﨑颯太選手のプロ入り後の成績は以下の通りです。
シーズン | 試合数 | 得点 | アシスト |
2022年 | 28試合 | 1得点 | 3アシスト |
2023年 | 28試合 | 2得点 | 1アシスト |
2024年(22節時点) | 18試合 | 3得点 | 1アシスト |
2022年シーズンは、アンカー(ボランチよりも守備に重点をおくポジション)として、開幕戦からレギュラーに定着。15節のアルビレックス新潟戦でプロ入り初ゴールを決めるなどの活躍をみせ、チームのJ1昇格に大きく貢献しました。
2023年シーズンはキャプテンに就任。高いリーダーシップを発揮し、平均年齢25歳の若さみなぎるチームを統率しています。
プロサッカー選手と大学生という、二足のわらじを選んできた川﨑颯太選手は、2024年3月に立命館大学を卒業しました。
今後は、学生時代に身につけた語学力を活かした海外挑戦も視野に入れているはずです。
川﨑颯太の日本代表経歴
画像引用元:NHK
川﨑颯太選手の日本代表歴は以下の通りです。
シーズン | 代表カテゴリー | 大会等 |
2019年 | U-18日本代表 |
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2020年 | U-19日本代表候補 |
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2022年 | U-21日本代表 |
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2023年 | U-22日本代表 |
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2023年 | 日本代表(A代表) |
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2024年 | U-23日本代表 |
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川﨑颯太選手の日本代表キャリアのスタートは、立命館大宇治高等学校時代に選出された「U-18日本代表」です。
その後は、各年代の日本代表に選出され続け、国際大会での経験を積み重ねていきます。
2023年6月には、キリンチャレンジカップ2023に臨む日本代表のメンバーとして「A代表」に初招集。ケガの影響もあり試合出場は叶わなかったものの、海外組から多くの学びを得ました。
2024年に開催されたAFC U23アジアカップ最終予選では、1次リーグのUAE戦でゴールを決め、日本のパリ五輪出場に貢献しています。
そして、2024年7月に開催されるパリ五輪日本代表メンバーに選出された川﨑颯太選手。
1968年のメキシコ大会以来となるメダル獲得に期待が高まります。
まとめ
画像引用元:SOCCER DIGEST Web
今回は、川﨑颯太選手の学歴や経歴を紹介してきました。
この記事でのまとめは以下の通りです。
- 学歴:山梨学院教育学部附属小学校・中学校→立命館大宇治高等学校→立命館大学産業社会学部 / 高校2年生の2学期の成績は「オール5」
- 経歴:ヴァンフォーレ甲府U-12→ヴァンフォーレ甲府U-15→京都サンガF.C. U-18→京都サンガF.C.
- 日本代表経歴:U-18日本代表 / U-19日本代表 / U-21日本代表 / U-22日本代表 / U-23日本代表 / 日本代表(A代表)
川﨑颯太選手は、サッカーも勉強もレベルの高い環境を選択し、成長してきました。
日本サッカー界でも類を見ない“文武両道のフットボールプレイヤー”は、この先どんな道を歩むのでしょうか。
まずは、今月開催されるパリ五輪でのパフォーマンスに注目です。